嵯峨島ジオクルーズ+荒川周遊コース

 五島市の中でも随一の秘境感を誇る嵯峨島。島全体が西海国立公園に指定されており、五島市が推進している「五島列島ジオパーク構想」でも重要な場所になっています。福江港から車で約40分、島の北西部に位置する三井楽町の貝津港から嵯峨島へ渡る嵯峨島旅客船「さがのしま丸」が運航しています。1日3往復、学校のある平日は一日4往復になり、前部には30席、後部にはベンチ型の座席が約12席分あります。
 嵯峨島までの乗船時間は約15分。秋以降は北西の風が強くなるため、波が高くなり揺れることもあります。乗り物酔いをしやすい方は、波が高めだと感じたら酔い止めを飲んでおいても良いかもしれません。
 さがのしま丸の船長さんも非常に気さくな方なので、嵯峨島の観光情報や歴史、おすすめポイントなど、初めての方は気軽に尋ねてみてはいかがでしょうか。

嵯峨島旅客船有限会社
住所:長崎県五島市三井楽町濱ノ畔1473-1
電話: 0959-84-2785
貝津港へのバス:約 60分
【五島バス】福江港バス停〜三井楽バス停下車<乗り換え>【三井楽半島バス・万葉号】三井楽タクシー〜貝津港待合所前バス停前
(三井楽バス停〜三井楽タクシーは徒歩1分)
 嵯峨島港より徒歩で約3分の場所に嵯峨島唯一の商店、「中村商店」さんがあります。
 中村商店さんではアイスクリームやカップ麺などを販売されている他、電動アシスト付き自転車のレンタサイクルも貸出をしています。
 アップダウンが多く、傾斜も厳しい嵯峨島では電動アシスト付自転車が大活躍。徒歩で一周するのは少し大変な嵯峨島ですが、自転車なら楽々と一周、時間があれば二周することもできます。レンタルは3時間500円、7時間1,000円とリーズナブルで、予約も可能です。現在中村商店さんのレンタサイクルには二輪車が3台、三輪車が2台の計5台しかないので、事前に予約をされてから行かれるのがおすすめです。
 また、お店の前には人懐っこくて可愛い猫たちも。旅の始めと終わりに癒されるのも良いかもしれません。

中村商店
電話:0959-56-2355/080-2695-1300
 五島市には嵯峨島以外にもアコウの木が多数見られますが、中でも嵯峨島のアコウは別格の存在感を放ちます。
 レンタサイクルの中村商店さんから自転車で北上するとほどなく、絶壁に張り巡らされた大きなアコウの木が。火山からの噴出物が堆積したことにより芸術的な縞模様となった凝灰岩の崖に、アコウの根が複雑に張り付き下に垂れている様子は圧巻そのもの。一枚の写真に全容を収める事が困難なほど広範囲に広がっており、息をのむ景観をお楽しみ頂けます。
 五島には多くのパワースポットや観光名所がありますが、このアコウの巨木は嵯峨島でしか見られない、嵯峨島ならではの珍奇かつ神秘的な雰囲気。小さな小さな港の前に広がる、大きな大きなアコウの巨木を眺め、現実と非現実が混ざり合うような世界を楽しむのはいかがでしょうか。

場所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島898
 アコウの巨木から自転車で少し上がった場所に建っているのが嵯峨島教会堂です。島民の半数近くが漁業に従事する嵯峨島で、海と福江島を見守るように静かに佇んでいます。福江島の西側を望むことができる点も嵯峨島ならではの景色で、教会堂からの眺めは抜群です。
 1797年、大村藩から迫害を逃れ流れてきた潜伏キリシタンは嵯峨島にも渡り、1888年に小聖堂が建てられるまで信徒の家でミサが捧げられてきました。現在の木造教会堂は1918年に建立され、以降信徒達の手により大切に改修や補修が行われ今日まで維持されています。
 現在もミサが行われ、教会内はこじんまりとしていながらも丁寧に手入れがされており、カトリック信仰を伝承する人々の息吹を感じます。

場所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島
 嵯峨島教会から一度港の方へ戻り、中村商店さんの手前の道を右折して直線を進むと千畳敷海岸へと到着します。アコウの木と並ぶ嵯峨島の代表的な見所スポットで、二つの火山が繋がって形成された嵯峨島を象徴する場所でもあります。
 嵯峨島のアコウの巨木が張り付く崖と同じように、火山からの噴出物によって創り出される景観。まるで畳が幾重にも敷かれるように見えることから「千畳敷」と呼ばれ親しまれています。
 男岳と女岳の接合部となっており、独特な奇岩を見ることができます。また、海蝕崖は島の成り立ちの歴史を感じさせます。岩肌の曲線模様も、吸い込まれそうになるような不思議なオーラを放ち、名所の魅力を引き立たせています。
 日によっては荒々しく白波が立つ海をリアルに感じられる、文句なしのパワースポット。毎年お盆には県指定無形民俗文化財であるオーモンデーという念仏踊りもこの場所で踊られています。
 千畳敷から自転車で林道を抜けていくと左手に「女岳園地」と書かれた木の看板があり、その看板が示す先に石畳の階段が現れます。自転車を降り、歩いて階段を登ること約5分、開放感ある女岳園地が広がります。
 標高130mの女岳山頂でもある女岳園地は、360°島全体を見渡すことができる嵯峨島有数の絶景ポイントです。嵯峨島最高峰の男岳も反対側にそびえ、奥には福江島、高浜海水浴場なども視界に捉えることができます。
 空と海と雲、そして山と、自然が織りなす緑と青のコンビネーションも絶妙で、自転車での嵯峨島観光の途中一休みする場所として最適。お弁当などを持参して、嵯峨島の大自然や風を感じながらゆっくりと一息入れてみてはいかがでしょうか。

女岳園地
住所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島女岳
 女岳園地で一休みした後、木々に囲まれた細道を自転車でもう少し進むとまた右手に細い遊歩道が出てきます。遊歩道をさらに下っていくと大きく開けた海岸へつながり、女岳の火口展望所へ到着します。
 「火口展望所」という名前だけをみると、火口を覗き込むような情景を想像しますが、女岳の火口展望所は火山がむき出しになっており、断面や内部構造を見ることができる場所です。
 東シナ海の荒々しい波によって生まれた海蝕崖と海の青さ、火山内部の赤褐色、所々に生える緑など様々な色と景色が混ざり合った雰囲気は言葉にしがたいほど圧巻で、つい見入ってしまいます。
 時間を忘れてしまうような絶景を楽しみながら、嵯峨島の自然を目に焼き付けてみてはいかがでしょうか。

女岳火口展望所
住所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島
 女岳火口展望所からさらに島一周を繋ぐよう自転車で下っていくと、出発した港へ戻ります。港に出る直前の道を防波堤の右側へと曲がると、小さな赤い鳥居と石造りの鳥居の二つが見えてきます。
 赤い鳥居は金毘羅神社、手前の鳥居は八幡神社に続き、建物内には賽銭箱もあります。振り返って鳥居の方を見ると鳥居の先には青い海が見えて、どこか落ち着くような景色を眺めることができます。
 島一周終わりがけにゆっくりと神社を参拝して、境内と鳥居越しに広がる海の景観を楽しんでみてはいかがでしょうか。

八幡神社
住所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島宮ノ前170
 八幡神社から集落へと戻り中村商店さんに辿り着く少し手前を左折すると、斜めに上る階段が見えます。自転車を降り、その階段を上った先には小さな鐘がありその奥にある一見小屋のような建物が、安養寺です。
 近隣には診療所や学校が建ち嵯峨島市街地の中心に所在し、島唯一のお寺として嵯峨島の日常の一部となっています。
 安養寺は現在の五島市福江町から五島家によって移設されました。嵯峨島はその昔罪人の流刑地であり、取り締まり機関だった為、他のお寺よりも多くの十六石という破格ともいえる石高が安養寺には与えられました。
 他のお寺とは異なり重要な役割を担っていた安養寺、現在は物静かでひっそりと落ち着く場所ですが、同時に嵯峨島の歴史を感じることができる場所です。

安養寺
住所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島
 お昼の便で13時過ぎに貝津港へと戻り車で約15分ほど南下すると、足湯や夕陽で有名な荒川地区に到着します。
 この地で11月1日にリニューアルオープンしたのが、荒川港駐車場すぐ横の食堂「さんさん」です。一度閉店した「さんさん」を、親族のご縁により引継がれたのは佐賀県馬渡島出身の加藤さん。自分自身の「いつかは海の見える場所で働きたい」という気持ちをはじめ、様々な要素がピタッと合致しほぼ迷う事無く移住されました。
 メニューは、魚の塩焼きや煮付けなど5種類の定食に加え、出汁巻き卵などの一品料理も豊富。アカムツやヒラスなど、地元の新鮮な魚を使った魚料理は絶品です。
 仕入れる魚はその日により異なるので、注文の際にスタッフさんに聞いてみるのがおすすめです。
 取材中、何度も「地元の方への感謝」と「恩返し」という言葉を使われていた加藤さん。真心の込められた、贅沢且つどこか懐かしい定食を、嵯峨島観光後のご昼食にいかがでしょうか。

さんさん
住所:長崎県五島市玉之浦町荒川279−23
営業時間:11時〜14時(定食)/14時〜16時(一品料理) 15時30分ラストオーダー
定休日:火曜日
instagram:https://www.instagram.com/sansan.11_01/