福江島から15分の嵯峨島へ!自転車で巡る絶景・歴史と荒川の魅力を紹介
福江島の北西部・三井楽(みいらく)半島の沖合に浮かぶ、船でわずか15分の嵯峨島(さがしま)。島内で自転車を走らせれば、360度パノラマの「女岳園地」や、むき出しの火山肌が圧巻な「火口展望所」など、地球の息吹を感じるジオパークの絶景が次々と現れます。さらに、海の見える神社や、流刑地の歴史を今に伝えるお寺など、島の日常と歴史に触れるひとときも。
島を巡った後は、福江島に戻って荒川地区へ。足湯で癒やされながら、食堂で獲れたて新鮮な地魚定食を味わう、自然・歴史・グルメが詰まった五島ならではの旅の魅力をお届けします。
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五島に息づく秘境の島「嵯峨島」へ
五島市の中でも随一の秘境感を誇る嵯峨島。島全体が西海国立公園に指定されており、「五島列島(下五島エリア)ジオパーク」を体感する上でも欠かせない重要なスポットです。
島へのアクセスは、福江港から車で約40分の場所にある、三井楽町の貝津港から出発します。そこから定期船「さがのしま丸」が1日3~4往復運航しており、約15分で島へと渡ることができます。船内には約42席の座席が用意されていますが、秋以降は北西の風で波が高くなり揺れることもあるため、乗り物酔いが心配な方はあらかじめ酔い止めを飲んでおくと安心です。
さがのしま丸の船長さんはとても気さくな方なので、嵯峨島の観光情報や歴史、おすすめポイントなど、はじめて訪れる方は気軽に声をかけてみてください。
【嵯峨島旅客船有限会社】
住所:長崎県五島市三井楽町濱ノ畔1473-1
電話:0959-84-2785
福江港から貝津港まで/路線バスで約60分
福江港バス停から五島バスで約50分、「三井楽バス停」下車
<乗り換え>
三井楽バス停から「三井楽半島バス万葉号・貝津コース」で約10分、「貝津港待合所前バス停前」下車
または三井楽バス停から三井楽タクシーに乗車
島を楽々一周!嵯峨島をレンタサイクルで巡ろう
アップダウンが多く傾斜も厳しい嵯峨島では、電動アシスト付自転車が大活躍。徒歩で一周するのは少し大変な島ですが、自転車なら楽々と一周でき、時間があれば二周することも可能です。
レンタサイクルは嵯峨島港に到着し、歩いて約3分の「中村商店(※レンタサイクル貸出のみの営業)」で借りられます。レンタル料金は3時間500円、7時間1,000円とリーズナブル。現在用意されているレンタサイクルは、二輪車が3台、三輪車が2台の計5台となっています。台数に限りがあるため、事前の予約がおすすめです。
※自転車の貸出場所や詳細は事前にお電話にてご確認ください。
【中村さちこ さん】
①0959-84-4134
②080-2695-1300
※①にかけて繋がらない場合は②にお電話ください。
絶壁に根を張る嵯峨島のアコウの巨木
五島市には嵯峨島以外にも多くのアコウの木が見られますが、中でも嵯峨島のアコウは別格の存在感を放ちます。
レンタサイクルの中村商店さんから自転車で北上するとほどなく、絶壁に根を張り巡らせた大きなアコウの木が現れます。火山からの噴出物が堆積して芸術的な縞模様となった凝灰岩の崖に、アコウの根が複雑に張り付き、下方へと垂れ下がる様子は圧巻そのもの。一枚の写真にその全容を収めることが困難なほど広範囲に広がっており、息をのむような景観を楽しめます。
五島には多くのパワースポットや観光名所がありますが、このアコウの巨木はここでしか見られない、嵯峨島ならではの珍奇かつ神秘的な雰囲気を持っています。小さな小さな港の前に広がる、大きな大きなアコウの巨木を眺め、現実と非現実が混ざり合うような世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
信徒の愛に守られた、嵯峨島の祈りの場
アコウの巨木から自転車で少し上がった場所に建っているのが「嵯峨島教会」です。島民の半数近くが漁業に従事する嵯峨島で、海と福江島を見守るように静かに佇んでいます。福江島の西側を望むことができるのも嵯峨島ならではの景色で、教会からの眺めは抜群です。
1797年、大村藩からの迫害を逃れて五島へ流れてきた潜伏キリシタンの一部は嵯峨島にも渡り、1888年に小聖堂が建てられるまで、信徒の家々でミサが捧げられてきました。現在の木造教会は1918年に建立され、以降は信徒たちの手によって大切に改修や補修が行われ、今日まで維持されています。
現在もミサが行われている教会内は、こじんまりとしていながらも丁寧に手入れがされており、カトリック信仰を伝承する人々の息吹が今なお感じられます。
畳を敷き詰めたような奇岩を楽しめる千畳敷海岸
嵯峨島教会から一度港の方へ戻り、中村商店さんの手前の道を右折して直進すると、千畳敷海岸に到着します。ここはアコウの木と並ぶ嵯峨島の代表的な見どころで、二つの火山が繋がって形成された嵯峨島を象徴する場所でもあります。
アコウの巨木が張り付く崖と同じように、こちらも火山からの噴出物によって創り出された景観です。まるで畳が幾重にも敷き詰められているように見えることから「千畳敷」と呼ばれ、親しまれています。
ここは「男岳(おだけ)」と「女岳(めだけ)」の接合部にあたり、独特な奇岩の数々を見ることができます。また、押し寄せる波に削られた海食崖(かいしょくがい)は、島の成り立ちの歴史を今に伝えるもの。岩肌が描く美しい曲線模様も、吸い込まれそうなほど不思議なオーラを放ち、この名所の魅力をより一層引き立てています。日によっては荒々しく白波が立つ海を間近に感じられる、文句なしのパワースポットです。
毎年お盆には、県指定無形民俗文化財である念仏踊り「オーモンデー」が、この壮大な海を背景に踊られています。
標高130mのパノラマ特等席「女岳園地」
千畳敷から自転車で林道を抜けていくと、左手に「女岳園地」と書かれた木の看板があり、その看板が示す先に石畳の階段が現れます。自転車を降り、歩いて階段を登ること約5分、目の前に開放感あふれる女岳園地が広がります。
標高130mの女岳山頂でもある女岳園地は、360°島全体を見渡すことができる嵯峨島有数の絶景ポイント。反対側には嵯峨島最高峰の男岳がそびえ、その奥には福江島や高浜海水浴場なども一望できます。
空と海と雲、そして山。自然が織りなす緑と青のコンビネーションも絶妙で、自転車での嵯峨島観光の途中に一休みする場所として最適です。お弁当などを持参して、嵯峨島の大自然や風を感じながら、ゆっくりと一息入れてしてみてはいかがでしょうか。
【女岳園地】
住所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島女岳
地球の鼓動を感じる「女岳火口展望所」
女岳園地で一休みした後、木々に囲まれた細道を自転車でもう少し進むと、また右手に細い遊歩道が出てきます。その遊歩道をさらに下っていくと、大きく開けた海岸へつながり、女岳の火口展望所へ到着します。「火口展望所」という名前だけを聞くと、火口を上から覗き込むような情景を想像しますが、ここは火山がむき出しになっており、その断面や内部構造を見ることができる場所です。
東シナ海の荒々しい波によって生まれた海蝕崖と、海の青さ、火山内部の赤褐色や、所々に生える植物の緑など、さまざまな色と景色が混ざり合います。そのスケール感には誰もが息をのみ、つい時間を忘れて見入ってしまいます。
嵯峨島ならではのダイナミックな大自然とこの素晴らしい絶景を、ぜひその目に焼き付けてください。
【女岳火口展望所】
住所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島
鳥居越しに海を望む「八幡神社」
女岳火口展望所からさらに島を一周するように自転車で下っていくと、出発した港へと到着。その手前で防波堤の右側へと曲がると、小さな赤い鳥居と、石造りの鳥居の二つが見えてきます。赤い鳥居は金毘羅神社、手前の鳥居は八幡神社に続き、建物内には賽銭箱も置かれています。振り返ると、鳥居の向こうには青い海が広がり、どこか心が洗われるような静けさを感じることができます。
島一周の締めくくりに、境内でゆっくりとお参りをして、鳥居越しに見える景色をのんびり眺めるのもおすすめです。
【八幡神社】
住所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島宮ノ前170
ひっそりと佇む歴史深い島唯一のお寺「安養寺」
八幡神社から集落へと戻り、中村商店さんに辿り着く少し手前を左折すると、斜めに上る階段が見えます。自転車を降りてその階段を上った先には小さな鐘があり、その奥にある一見小屋のような建物が安養寺です。近隣には診療所や学校が建ち、嵯峨島市街地の中心に位置するこのお寺は、島唯一の寺として嵯峨島の日常の一部となっています。
安養寺は、かつて五島家によって現在の五島市福江町から移されたお寺です。嵯峨島はその昔、罪人の流刑地であり、安養寺はその取り締まり機関の役割も担っていました。そのため、他のお寺よりも多い「十六石(当時、大人約16人が1年間に食べるお米の量に相当)」という、当時としては破格ともいえる石高(こくだか)が与えられていたといいます。
かつては重要な役割を担っていた安養寺。現在は静かでひっそりと落ち着く空間ですが、一歩足を踏み入れれば、嵯峨島の深い歴史を感じることができる場所です。
【安養寺】
住所:長崎県五島市三井楽町嵯峨島131-3
荒川港のすぐ横!地元の新鮮な魚料理が楽しめる食堂「さんさん」
お昼の便で13時過ぎに福江島の貝津港へと戻り、車で約15分ほど南下すると、足湯や夕陽で有名な荒川地区に到着します。
その荒川港駐車場のすぐ横にお店を構えるのが、食堂「さんさん」です。一度は閉店したお店を親族のご縁によって引き継がれたのは、佐賀県馬渡島出身の加藤さん。ご自身の「いつかは海の見える場所で働きたい」という想いをはじめ、さまざまなタイミングが重なり、ほぼ迷うことなく移住を決めたそうです。
メニューは、魚の塩焼きや煮付けなどの定食に加え、出汁巻き卵などの一品料理も豊富に揃います。アカムツやヒラスなど、地元の新鮮な魚を使った魚料理は絶品。仕入れる魚はその日によって異なるので、注文の際におすすめを聞いてみるのがポイントです。
店主が語る「地元の方への感謝と恩返し」の想いが形になったような、真心が込められた温かい料理の数々。嵯峨島観光の後の贅沢な昼食に、ぜひ立寄ってみてください。
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