大地から感じる五島の魅力(ジオサイト)-1

大地から感じる五島の魅力(ジオサイト)

五島列島は、日本列島の西の端にあると同時に、東シナ海の一角を占める場所にあります。

五島列島の大地は、約2200~1700万年前に堆積したユーラシア大陸由来の砂と泥が基であり、その当時は大陸の一部でした。
この大陸由来の砂と泥の地層(白と黒のしましま地層)のことを「五島層群」と呼びます。
いくつもの大地の変化を経て、日本列島が大陸から離れて形成される際に、最後まで大陸とつながっていた特徴を持ち、その後、火山の噴火によって、溶岩台地と多くの火山島が形成されています。

中国大陸と日本の中間に位置する五島列島は、遣唐使の経由地、倭寇の拠点、潜伏キリシタンの移住など、大陸との関わりや離島であることを背景とした歴史が数多く存在しています。
 

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鬼岳

名前とは裏腹に、その優しい姿は市民の憩いの場所になっています。
鬼岳では、景観や生態系保護のため、3年に1度野焼きが行われ、その様子はまさに噴火の再現。
鬼岳を含む火山群は、日本に3つしかない珍しい火山群です。知ってましたか!?

鬼岳下スコリア露頭

鬼岳の噴火活動を物語る場所。噴火により、飛んできた「スコリア※1」が溜まっています。なみなみでしましまの美しい地層。ここから鬼岳がどのように噴火してきたのかが分かります。

※1:スコリアとは、火山噴火物の1種。軽石のように軽く、色は黒っぽい。

火ノ岳

火ノ岳は、およそ4~5万年前に噴火した火山です。鬼岳と違って野焼きを行っていないため、木々に覆われています。
火の岳の頂上からは、鬼岳の全景や箕岳などが見渡せ、この景観はまさに絶景です!

鐙瀬溶岩海岸

鬼岳と火ノ岳から流れてきた溶岩からなり、黒々でゴツゴツした石が長さ7㎞にわたり露出しています。
福江島の中で最も南方に位置し、南方系の海岸植物と黒い溶岩が織りなす姿はまさに「ハワイ」のよう。
鐙瀬ビジターセンターや展望台などの施設もあります。

カヅメ海岸

箕岳のふもとにある海岸で、知る人ぞ知る場所。ここは、海に消えた‟幻の火山“の痕跡が残る場所です。

黄島

黄島は、細ヶ岳と番岳という2つの火山からなる島です。周囲は約5.5㎞。小さい島ながら、見どころがいっぱいで、
火山の中身を体感できる島です。漁業で栄えた歴史の証拠を集落でみつけてみましょう!

●細ヶ岳
玄武岩質スコリア、火山礫で構成される長崎県で一番低いと言われている高さ25mの山です。細ヶ岳の南側は、波の影響により山の半分以上が削られて無くなり、火山の内部が丸見えとなっています。

●溶岩トンネル
島の南側には、長さ130m程の溶岩トンネルがあり、簡単に立ち入りができる溶岩トンネルとしては、五島列島最大です。トンネルの一番奥には祭壇があり、毎年2月頃に祭りが行われています。
 

白良ヶ浜砂丘

万葉公園の奥には、白良ヶ浜の砂が風に飛ばされて谷に堆積してできた砂丘があります。
砂は固まり、ビーチロックとなっているものもあります。
大きさは、鳥取砂丘の約25分の1程度です。
高浜海水浴場や高崎、白良ヶ浜など、砂浜が多い三井楽ならではの景色ですね。
 

嵯峨島(さがのしま)

嵯峨島は、福江島の北西約4㎞にある、面積3.16㎢、周囲は約9.5㎞の小さな島です。
男岳(おだけ)と女岳(めだけ)という二つの火山が裾野で繋がった、ひょうたんの形をした島になります。

●千畳敷
嵯峨島の西側に千畳敷と呼ばれる場所があります。波によって海岸線が平坦になった場所で、畳千枚ほどを敷けることから「千畳敷」と呼ばれています。
火山灰や噴石が幾層にも重なっており、パイ生地(ミルフィーユ)のような独特な美しい景観となっています。

●低潮線保全区域
千畳敷の先(西側)には、領海や排他的経済水域などを決める「低潮線保全区域」と呼ばれる場所があり、国によって保全されています。もっとも潮が干いた時の海面と陸地との境界線のことで、領海や排他的経済水域(200海里)の基礎となる地点のことです。

●火山海食崖
島の西海岸は東シナ海の激しい荒波によって削りとられ、海食崖の絶壁となっています。
火山内部がむき出しになっているので、火山の断面、内部構造を知ることができる世界的にも珍しい貴重な地学的資料となっています。


 

魚津ヶ崎

魚津ヶ崎の地形は、砂と泥が固まった「五島層群」と、火山から流れた溶岩によって複雑に入り組んでいます。入り組んだ地形は好漁場を形成し、「魚津ヶ崎」と名付けられたと考えられます。
かつては、遣唐使船の寄港地として内湾に船を繋ぎ、風待ちの停泊場所に利用していたそうです。
近くの城岳展望所からは、魚津ヶ崎と立小島、入り組んだ地形が一望でき、まさに絶景です。

大瀬崎(玉之浦の大断崖)

五島列島を代表する観光スポットである「大瀬崎」。
東シナ海の荒波により削られた断崖は、「五島層群」と呼ばれる大陸由来の砂と泥の地層。
ユーラシア大陸で形成された大地は、長い年月を経て大陸から離れ、今では五島列島を代表する観光スポットになっています。

ハチクマの渡り、シマシャジン
9月から10月にかけて、大瀬崎を経由地として大陸に渡る「ハチクマ」が見られ、この時期に約2万羽が飛び立ちます。
また、韓国の済州島と長崎県平戸市、ここ大瀬崎の3ヵ所にしか分布しない「シマシャジン」が花を咲かせます。

赤灯台

玉之浦町の小浦海水浴場を過ぎると、赤い灯台と白と黒のしましま地層の美しい風景に出会えます。赤い灯台の向こう側に広がる白と黒の地層は、砂(白)と泥(黒)の地層で「五島層群」と呼ばれています。島山島の西海岸では波によって露出した白黒の迫力ある美しい地層が、約7kmに渡って続いています。

御岳の魚見台

御岳の頂上には、石積みの魚見台が残っています。少し尖った山の頂から、玉之浦湾内に入ってくる魚を監視していました。今では漁船技術の発達により活用されていませんが、昔の漁法を物語る貴重でおもしろい場所です。
山頂は、砂や泥が堆積した五島層群が、地下から上がってきたマグマの影響を受けて硬くなり、硬くなった部分が浸食されずに残っているため、少し尖った形をしています。

舅ヶ島千畳敷

畳千枚分の自然のステージ
舅ヶ島千畳敷は、畳千畳が敷けるくらいの広さがあることから、「千畳敷」と呼ばれています。
千畳敷は、砂や泥からなる「五島層群」と呼ばれる地層で、波などで削られることで水平な台地となっています。

サイも歩いた千畳敷
千畳敷の表面を良く見ると、サッカーボール大の丸っぽいくぼみが同じ間隔で連なっている場所があります。丸いくぼみは「サイの足跡」と考えられており、千畳敷には39個のくぼみがあります。
五島列島の大地ができるころ、砂と泥が溜まる湖や川のほとりを、サイが水遊びをしにきていたのかもしれません。
このサイの足跡は、雨や風、波などによって削られていくので、今だから見られる貴重なものです。

地図

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