【前編】路線バスでめぐる五島・福江島の旅|車窓から楽しむ絶景とローカルな出会い-1

【前編】路線バスでめぐる五島・福江島の旅|車窓から楽しむ絶景とローカルな出会い

レンタカーとはひと味違う、ローカルバスの旅。バスを乗り継ぎながら、美しい海岸線やレトロな温泉街・荒川など、地元ならではの魅力がつまったスポットをめぐります。車窓の向こうに広がるコバルトブルーの海や、赤土の畑、そして高台に佇む白亜の教会。バスの速度だからこそ気づく、島に流れるあたたかな日常と手つかずの美しさ。
運行本数は限られているため、事前に時刻表をしっかり調べて計画的にスケジュールを組むのが楽しむポイントです。バスを降りたら、そこにはあなただけの特別な五島が待っています。島の約半分を巡る、路線バスの旅(前編)をご紹介します!

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特集INDEX

<五島バス>バスの窓から、島の暮らしに出会う旅

福江島で唯一の路線バスである「五島バス」。毎日島の隅々を縫うように走るこのバスは、買い物や通院、通学など、島民の日々の暮らしにはなくてはならない存在です。また島民の足としてだけでなく、観光で訪れた方の移動手段としても活躍しています。
観光メインで楽しみたい場合は、2名以上で運行してくれる「定期観光バス」がおすすめ。午前と午後でコースが選べ、1日で島の主要観光スポットをガイド付きで巡ってくれます。また、一人で自由に島内を散策をしたい方には、島外からの旅行者が使える「1日フリー乗車券」がぴったり。大人1,000円(小人500円)で、何度でも乗り換えできるので、時刻表を片手に自分好みのルートを探す旅を楽しめます。平日の早朝や夕方は、学生で満席の場合もあるので、それ以外の時間帯の利用がおすすめです。
一般的な観光ルートでは通らない道からは、島の暮らしの息づかいが肌で感じられ、車窓から見える景色にきっと感動するはず。細い道をスイスイと通り抜ける運転手さんの見事なハンドルさばきも、隠れた見どころです。

【1日フリー乗車券販売窓口、定期観光バス予約】
五島バス観光課(福江港ターミナル内)
住所:五島市東浜町2-3–1
営業時間(9:00~17:00)
電話:0959–72–2173
※一日フリー乗車券は「カンパーナホテル」「GOTO TSUBAKI HOTEL」の受付にて24時間購入可能です。

コラム

島めぐりの拠点「福江港ターミナル」-1

島めぐりの拠点「福江港ターミナル」

海の玄関口としての機能はもちろん、のどごし滑らかな「五島うどん」や名物「かんころ餅」、美しいサンゴ細工など五島のとっておきが集まる絶好のお買い物スポットでもある福江港ターミナル。観光案内所や飲食店、コンビニも揃っているため、出発前の情報収集や準備もばっちり。2階の展望スペースから五島のシンボル「鬼岳」の絶景を眺めたら、いよいよワクワクするバス旅の始まりです!

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福江-野々切-鐙瀬

福江港始発、鐙瀬(あぶんぜ)行きのバスに乗り込んだら、路線バス旅の始まりです。
港を出ると、さっそく歴史的な見どころが現れます。右手海側に見えるのは、180年以上前に造られた立派な石垣の常灯鼻(じょうとうばな)。その昔、灯台の役目として港に入る船を見守ってきた歴史ある遺構です。

その後、バスは商店街など福江の中心市街地を通り抜け、交番のある三尾野交差点を左折。左手には五島藩歴代藩主の菩提寺であり、曹洞宗の本山でもある大円寺が姿を見せます。続いて、右手の川沿いに進んだ先には見事な田園風景が広がり、遠く竹林の中に佇む明星院が現れます。日本遺産にも登録されている明星院は、明星院前バス停から300mほどなので、歩いて訪れることもできます。

そこからしばらく進み、野々切バス停を過ぎる頃見えてくるのが、島のシンボル鬼岳。どんどん迫ってくる山容に胸が高鳴ります。「大窄」バス停辺りから望む民家と鬼岳が織りなすコントラストは圧巻です。
やがて海沿いの道に出ると、大海原の向こうに二次離島の黒島が姿を現します。キラキラと美しく光る海と鬼岳の風景を堪能しているうちに、終点の「鐙瀬」バス停に到着です。

鐙瀬-崎山-福江

鐙瀬から崎山集落へ続く海沿いの道をしばらく行くと、目の前に箕岳(みたけ)が現れます。麓付近には桜が満開になる園地があり、春にはお花見客で賑わうスポットです。
左手には堂々とした鬼岳の姿がそびえ、麓に広がる畑の土は、火山の噴出物によるサラサラした赤茶色。じゃがいもなどの栽培に適した土地で、時間帯によってはのどかな農作業の風景に出会えるかもしれません。
バスは一旦海沿いからは離れ、崎山集落の民家が続く狭い道へ。道沿いには見事な石垣がいくつも並んでおり、これはかつて城下町だった頃の名残。今も大切に守り継がれている古い石垣が多く残る貴重な地域の一つです。

崎山小中学校を通り過ぎると、バスは再び海沿いの道へ出ます。そこで大海原にポツンと浮かんで見えるのは、日本初の浮体式洋上風力発電。広大な海の迫力を存分に堪能したら、バスはそのまま福江の中心地へと戻っていきます。運良く信号で止まれば、車窓から福江城(石田城)の立派な石垣をじっくりと眺めることも。景色を楽しんだら終点の福江港に到着です。

福江-岐宿

福江港に到着したら、ここで一旦下車。
次のバスの出発までは、船の出入りを眺めたり、お土産を選んだりして過ごします。近くには、歩いていけるドラッグストアやスーパーもあるので、飲み物の補充をしたり、港公園でゆっくりと一息つくのもおすすめです。

ターミナル前の始発バス停で待っていると、三井楽(みいらく)行きのバスがやって来ます。バスに乗り込むと、途中までは先ほど通過したルートを進むので、見逃した景色を改めてチェックするチャンスです。

三尾野交差点をまっすぐ進み、商業施設が立ち並ぶ直線をしばらく行くと、「馬責馬場(うませんばば)」というバス停に差し掛かります。福江島にはこのような珍しい読み方のバス停がたくさんあるのも面白いポイントです。この交差点を左折し、福江島最大の総合病院である五島中央病院を経由。大型スーパーやドラッグストアを過ぎると車窓の景色は一変し、バスはどんどん山道へと入って行きます。視界の全てが山里の風景へと変わり、澄み渡る青空と相まって、心地良い澄んだ空気に包まれます。

<三井楽半島バス>コミュニティバスに揺られて、三井楽をぐるりと一周

三井楽に着いたら、近場を散策するのも楽しいですが、すぐ近くから出ているコミュニティバス「三井楽半島バス(三井楽タクシー運行)」に乗ってみるのもおすすめです。このバスは五島バスのダイヤと接続しているため、終点で降りればそのまま乗り継げるようになっています。※乗り遅れが心配な方は、時間にゆとりのあるスケジュールを組んでおくと安心です。
三井楽半島バスは、路線バスが通らない集落に暮らす方が三井楽診療所へ通院したり、福江行きの路線バスに乗り継いだりできるよう、毎日運行されている大切な地域の足。今回利用した「三井楽循環コース」は、診療所や役場前を通り、嶽、柏、高崎を回って戻るルートです。

〈三井楽タクシー〉
住所:五島市三井楽町濱ノ畔938
電話:0959-84-3136

海岸線に沿うように走るため車窓からのロケーションは抜群!目の前に浮かぶ嵯峨島や姫島をはじめ、三井楽特有の赤土の円畑(まるはた)、三井楽教会、高崎公園や高崎海岸など、見どころ満載で観光としても十分に楽しめます。このバスに乗って高崎公園にピクニックに出かける観光客もいらっしゃるのだそう。運転手さんとの温かい会話も弾み、あっという間に終点に到着します。

三井楽-岐宿-二本楠

福江行きのバスに乗り込むと、次は川原までは来た道を戻ります。神崎橋から憩坂を経由せずまっすぐ進むと、左手には五島南高校とその前に広がるのどかな田園風景が見えてきます。キラキラと輝く白石湾沿いに進み、川原浦トンネルを抜けると、右手高台に白亜の水ノ浦教会が現れます。バスは再び岐宿の集落へ。岐宿の観光スポット、魚津ヶ崎公園へは、「魚津ヶ崎公園前」バス停で下車し、歩いて10分ほどで行くことができます。

今回は、「岐宿」バス停で一旦下車し、富江行きのバスに乗り換えます。(※このバスは福江行きなので、そのまま乗っていれば福江港まで戻ることも可能です。)
同じバス停で富江行きのバスを待ち、乗車。先ほど通った楠原集落を再び通り山内方面へ向かいます。次第に広がる田園風景と、その先に見えるのは七ツ岳。7つの峰からなる標高432mの山で、福江島では2番目の高さを誇ります。かつて噴火によって形成された湖だったと言われる山内盆地は、周囲の山並みから豊富な水が流れ込むため、おいしいお米が採れる場所としても知られます。
豊かな山や田畑の景色に見とれていると、「二本楠」バス停に到着。このまま乗車していれば富江まで行けますが、今回はここで荒川行きのバスへと乗り換えます。二本楠は乗り換えターミナルになっており、待合所やトイレも完備されているので安心です。
 

二本楠-荒川-丹奈

荒川行きに乗り換えたら、来た道を少し戻り信号を左折します。山間のゆるい上り坂を上がった右手には、先ほど遠くに見た七ツ岳の登山口。七ツ岳の登山口は2ヶ所あり、もう1ヶ所はこれから行く荒川地区の七嶽神社の先にあります。ここからはカーブの多い下り坂が続きます。橋の両脇に立つ立派な看板の「歓迎」の文字に温かく出迎えられると、いよいよ温泉の町・荒川に到着です。

荒川バス停の横には、旅の疲れを癒やせる足湯スペースも完備。昭和の街並みが残る荒川は、まるで古き良き時代にタイムトリップしたかのよう。
静かな荒川港でバスは一旦停車。このまま乗車していれば丹奈集落まで行って再びここに戻ってきますが、ここで下車して荒川の街並み散策や足湯を楽しむのもおすすめです。今回は、そのまま丹奈方面へも足を延ばしてみました。
バスは荒川トンネル、丹奈岬トンネルを抜け、左折すると静かな港町・丹奈に到着します。5分ほど停車するので、ぜひバスから降りて小さな港町の空気を感じてみてはいかがでしょうか。その後バスは再び荒川に向けて発車します。

荒川-福江

荒川に到着したバスは数分間停車するため、ベンチに座り停泊している船をボーッと眺める時間もおすすめです。ここから眺める夕焼けは美しいと島内でも評判。近くにゲストハウスや民宿もあるので、泊まりがけで訪れるのも素敵な過ごし方です。
再び発車したバスは、来た道を戻ります。上り坂をゆっくりと進むため、行きには気づかなかった車窓の景色を改めて楽しむことができます。道路の両脇は桜並木になっており、春には見事な桜吹雪が広がるのだそう。
七ツ岳登山口、一軒家バス停を過ぎると見えてくる長い直線道路は県道27号線。長崎県の県道の中で2番目に長い直線道路です。二本楠を経由したあとは、民家のない山間の道路をしばらく進みます。左手に見え隠れしていた川が途切れると、雨通宿(うとじゅく)へ。猪掛(いかけ)トンネルを抜けると、いよいよ中心地に入っていきます。
左手に島民の多くが利用する大型スーパーが見えたら、再び五島中央病院を経由し、国道384号線と合流して下りの直線へ。馬責馬場、商店街を抜ければ、終点の福江港に到着です。

今回は、福江島のほぼ半分の路線をコンプリートできるコースをご紹介しました。残りの路線をまるっと制覇する【後編】の記事も、ぜひあわせてご覧ください!

五島バス旅【前編】紹介スポットマップ

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