富江アラカルト! ~多郎島公園・只狩展望所・富江溶岩トンネル「井坑」・ニク勝~
前回、写真班の先輩2名(2年生)が富江町の海側を取材していましたので、今回は山側(狩立地区、岳地区)を中心に発信したいと思います。
小さいころサイクリングを楽しんだことがある多郎島公園(土取地区)から野焼き直前の鬼岳(福江方面)の様子を臨んだ写真をご覧ください。
福江港ターミナルから車で約20分あれば富江町中心部にたどりつきますが、そこから狩立方面に向かい山道を登っていくと約7分で最初の目的地、只狩山展望所に着きます。まず最初にわたしと顧問の先生を迎えてくれたのは只狩神社の鳥居でした。鳥居をくぐり左手にある展望所のらせん階段を上ると富江の町が一望できるはず・・・
ところが展望所の前にはまるで私たちの歩みを立ち塞ぐように石碑が・・・・
「珊瑚之碑」と刻まれたこの石碑に「新田次郎」という文字を発見した顧問の先生は、鳥居下の階段付近に設置された説明板に戻り、興味深く読んでいました。説明板によると、珊瑚船の遭難事故を調査していた当時気象庁職員であった新田次郎氏が、創作意欲を湧かせながら完成させた小説のタイトルが「珊瑚」。この事故の現場が男女群島周辺であることや、当時新田氏が富江出身の気象庁職員に触発されたことから、この場所に建立されたようです。あとで調べてみると、新田氏は直木賞を受賞していることが分かりました。五島は文学作品の舞台にもなっているんですね。
さて本題に戻ります。らせん階段を上ると富江町を見下ろすことができるだけでなく、海の向こうの鬼岳(福江方面)もばっちり眺めることができました。あいにくこの日(2024年3月2日)は、朝から季節外れの雪が降り、絶景とまではいえませんでしたが、前回先輩が取材した田尾地区の海岸やトンネルもばっちり確認することができました。
標高は84mしかありませんが、福江島のランドマークである鬼岳までは何も遮るものがなく、おすすめスポットのひとつです。皆さんもぜひ足を運んでみてください。
只狩山展望所をあとにして山道を降りていくと、「只狩山展望所」と上下に並びたつ「井坑」の案内板を発見。案内版をたどって富江中心部方面へ約5分でたどりつくと、東屋(休憩所)の前に大きな看板があり、良く見ると「長崎県指定天然記念物」と表示されています。「井坑」とは溶岩トンネルのことのようです。
東屋(休憩所)の左側を先に進むとすぐに階段を発見しました。そこを降りていくと入口にフェンスがありました。残念ながらこの先の入口は立入禁止になっています。でも動線となる山道が左に続いていたため先を進んでいきます。すると・・・・
やはりフェンスで立ち入ることはできませんでしたが、もうひとつの井坑を発見しました。脇に設置されている説明板によると、溶岩台地である富江半島には、溶岩トンネルがこの井坑だけでなくその周辺にもいくつかあるそうです。井坑の高さは最大6m、幅は最大13m、400mも進めば高さが1mにまで低くなるうえ粘土が堆積しているため侵入できないようです。フェンスで出入口から先に進めないことが、かえって神秘な雰囲気を醸し出していて、不思議な感覚を抱きました。
落石や天井崩落の危険から立入禁止ですので、フェンスは乗り越えないようお願いします!
富江町の商店街に戻ったのが、11:00過ぎ。小腹も空いてきたので、最後は精肉店の「ニク勝」に向かいました。地元では有名なお店で、店内に入るとお客さんが5、6人いました。揚げたてのコロッケを目指しレジ前に並び、前のお客さんが2人続けて10個以上のコロッケを購入していたので売り切れが心配でした。そして何とか最後の2個を運よくゲットしました!コショウが効いているためスパイシーでした。また肉のうまみがしみ込んでいるジャガイモの存在感が際立っていました。飽きない味なので、リピーターが多いように感じました。
今回、昼前には売りきれてしまったコロッケをぜひ皆さんにも食べていただきたいです!