五島ワーケーションチャレンジ2023「2040年の日本を体感しにいこう。2 五島列島タイムワープ・スタディー」参加者の感想-1

五島ワーケーションチャレンジ2023「2040年の日本を体感しにいこう。2 五島列島タイムワープ・スタディー」参加者の感想

五島市では、2023年10月14日~26日にワーケーションイベントを開催し、49名の方々にご参加いただきました。参加された方々は、昼間は五島市内の小学校や保育施設にお子様を預け、課題先進地域である離島で起きている様々な地域課題や先進的な取組を体感しながら、夜は地元の方々と交流を深めました。参加された5名の方々の感想を紹介しますので、五島でのワーケーションを検討されている方はぜひ参考にしてください。

特集INDEX

娘も自分もアップデートする 「人生」や「生き方」を自然と話せる五島でキャリアを考える

青山雅子さん(30代、合同会社Lion代表

2022年夏、娘とともにGWC(Goto Worcation Challengeの略)に参加し、今回五島を訪れるのは2度目でした。
2020年の開催時に五島の小学校体験入学プログラムの存在を知っていて、今回再開されたことを聞いて、娘を連れて行くことを決意し、そして前回から参加を切望していた夫も一緒に、家族3人で参加しました。

普段通っている娘の小学校に、GWCの体験入学プログラムについて相談したところ「普段とは異なる小学校での経験は非常に価値がある」と共感いただき、参加日程を公式の登校日に設定していただくことができました。

登校日当日は、同じプログラムに参加しているGWC参加者と交流できたり、校長先生や教員の方々が温かく迎え入れてくださったりと、とても安心して楽しむことができました。また娘は五島の小学校で人気者になり、普段はあまり学校の感想を教えてくれないのに「人気で大変だった!」と報告してくれるほどでした。
学校後の学童では「宿題をきちんとやってから遊びましょう!」と伝えてくださり、学びと遊びのバランスが取れ、また年下の子もいたため「お姉さん体験」ができたのも貴重な時間だったと思います。夜は子供連れの参加者と一緒に食事ができ、都心では中々難しい親子同士で終日交流できる貴重さを感じ、GWCの満足度が一段と高まりました。

私自身でいうと「ワーケーションは余白を創っていくことが大切だ」と理解しつつも、今回は業務量的にそれがかなり難しいことを覚悟して参加しました。
しかしたとえ短時間であっても、五島の空気や参加者の方々との交流で「人生観」や「これからのキャリア」について自然と考えることができ、やっぱり五島は貴重な場所だなと改めて感じています。

交通費や参加費こそかかりますが、だからこそ参加者のレベルが高く、交流を重ねるうちに都心では難しい「人生」や「生き方」の話が自然にできる雰囲気があり、最近の私のキャリアについても、五島での体験が影響を与えているように感じています。
今後も開催の予定があればぜひ家族で参加したいと思っています。

五島の課題を体感したからこそ見えた「思いやりからビジネスを考える」ことの重要性

木原寿彦さん(40代、KIHARA Commons株式会社代表取締役、Oita GROWTH Ventures-大分県アクセラレーションプログラム創業運営者)

初めて五島を訪れたのは1年前の2023年10月で、GWCの登壇ゲストとして呼ばれその時に出会った五島の農家さんや島民の方々と再び会いたいと思っている最中、今回のイベントを知りました。今回の社会科見学のような経験は大人になってこそ貴重ですし、ツアーテーマは、ずっと課題に感じていた事や過去取り組んだテーマも含まれていたので、これは!と思い全テーマ日程6日間の参加を決めました。

まず印象的だったのは、ゲスト講師の河合先生による「人口減少」セミナーです。これまで疑問に感じていた人口減少について腹落ちする事ができ、様々な課題について「これは、のん気に考えている場合じゃない!」という危機感を感じる事ができました。

また社会課題スタディツアーでは、島に住む人とそうでない人、学校の必要性に対する異なる意見を持つ人、それぞれ話をリアルに知る貴重な経験が出来たと思います。
地域の課題を学びリアルを知るほど、「正しさ」は一方的な主観なのだなという意識が強くなり、「島の僻地に住む人に、実は多くの税金がかかってる。この場所に住むことは正しいか?」という投げかけがあった時も、「間違っている!」という観点で考える前に、「誰にとっての正しさなのか?」を考える必要があると議論できたのはとても貴重な時間でした。

そしてスタディツアーを通して、改めて思いを強くしたのは「思いやりからビジネスを考える」ことの重要性です。利益追求から考え始めるのではなく「誰かを思いやること」からビジネスを考える必要がある、と地域の課題をリアルに体験できたからこそ思う事ができました。

運営構成についても「ダイアログでアウトプットできる仕組み」が素晴らしかったです。ツアー序盤の自分の考えが、後半ダイアログを通じて変容していくのを体感することでき、それを飲み会で参加者やゲストとよりオープンに話ながら親睦を深められたことが何より楽しかったので、次回も関わりのある人を連れていきたいなと考えています。

五島の地域課題を体感しながら、故郷への汎用性を考える 向き合えなかった「人と人の繋がり」を理解できた旅

高村奈津子さん(40代、出光興産株式会社 経理財務部IR室 担当マネージャー)

約2年前から、「地域をどう活性化するか?」という問いに考えを巡らせてきました。
もともと地方出身で都心に出てきた私は、「自分の地域はこのままでいいのか?出来ることはないのか?」と常に考えていました。前職では変化に前向きな、ある意味で"マイノリティ"な「先端思考」の人たちが多かったので、「地域、市民、行政としての思考」の話が不足していたことから、様々な「地域課題の情報」を探していましたが、情報だけではどうしても"表層感"を感じていました。

その中で、SNSで知人がシェアした今回のスタディツアーのプレスリリースを見つけ、ゲストの方々にも魅かれ「これは行かなければ!」と思い参加しました。

結果として、このツアーは自らのルーツを振り返る旅となりました。
五島の課題を見ながらも、学ぶ事象を通していつも故郷を考えていました。廃校や森林のテーマでの対話から、自分の田舎で当たり前になりすぎて考えもしなかったことにも気付かされました。
また五島に来て、東京にある「明治神宮の森林構想」を初めて知ったりなど、地域課題について自分が知らない事だらけで驚きました。これからは都心に居てももっとアンテナを張って情報を捉える事が出来るように思います。

最も印象的だったのは、再エネテーマの特別講師である漁業協同組合長の熊川さんのお話に出てくる「人との繋がり」の部分でした。
長い間インターネット業界で働いてきた私は「ビジネス=効率」という思考から、人との関係性の大切さについてしっかり向き合えずにいましたが、何かをゼロから始める時には、効率性よりも、地域の様々なステークホルダーの人と繋がる事の方が重要であるのだと改めて気付くことが出来ました。

最後に、今回私が参加して一番良かったのは、このスタディツアーを企画したみつめる旅のお二人に出会えたことです。本気で五島のことを考えて実装し、仲間を増やしている当事者と関われたことは本当に嬉しいことであり、また地域課題に関心の高い参加者の方々と、これからも長期的に関わっていけそうな繋がりを持てたことも、本当に財産だと思っています

マクロとミクロを行き来する五島で見えた「ネガティブな未来予測」と「今確かにある幸福」

山本祐介さん(40代、グーグル合同会社 ブランドメーケティング総括部長)

2019年の五島リモートワーク実証実験に参加して以来、次は必ず家族を連れて行きたいと思っていました。
今回のスタディツアーの内容が妻にも深く響き、また五島の小学校の受け入れプログラムが再開されたことが一番のきっかけで、家族全員での参加を決めました。

今回特に良かった部分は、ゲストの河合先生のプレゼンで人口減少のネガティブな未来予測をしっかり感じられたことです。マクロな情報では絶望的であるが、いざ現地の人たちと交流すると
とても幸福そうでした。しま留学の学生の話を聴くと涙が出てしまうけれど、一方で税金の話になると目が覚めていく。どちらが正しいか否かではなく、ミクロとマクロ、絶望と今確かにある幸福の両方が混在していることが課題のリアリティであり、とても貴重で重要な体験になりました。

また私は2019年頃には都心に住んでいましたが、その後人口2万人近い軽井沢に移住しました。今回五島に来て初めて「都会だなあ!」という感覚を味わいました。
その瞬間、無意識に持っていた「都心という枠にはめた自分自身」にも気が付くことができました。

軽井沢住民から見ると、五島の魚だけでなく、美味しい野菜が育つ場所としての「豊かさ」がとても際立って見えたものの、五島の人はそこまで感じていない様で、この「豊かさの自覚の違い」も非常に面白く感じました。

そして今回特に感じたのは、経済合理性を越えたところにある「人間の感情や尊厳」のようなものがいかに大事かということでした。久賀島に学校や病院を残すということは、単純な行政の効率や合理性の話ではなく、「島への思い」や「人としての生活のありよう」や「人間の尊厳」というような部分が大きく影響しているのではないかなと今回すごく感じました。

全国各地(15ヶ所以上)に行っていますが、ここまできちんとオーガナイズされ、地元の方々ともツアー参加者の方々ともきちんと交流できて、子供連れでも家族全員が楽しめて、且つ、学びになるツアーやイベントは本当に他にはないと思います。
絶対にまたやってほしいです

異なる場所で、人間性を見つめ直し、常識や価値観をリセットする 都会育ちだからこそ感じた五島の豊かさ

用丸雅也さん(30代、ウェリズム株式会社 CEO/Branding Director)

30歳になる節目に、自身の幸福の尺度を再考したいと思いました。
異なる環境で人間性を見つめ直し、常識や価値観をリセットする時期に、知人づてにこのスタディツアーを知り、参加することにしました。

五島は離島であるだけでなく、遣唐使の最後の出発点でもあり、社会増、自然、世界遺産など様々な魅力を持つ場所だと感じていました。近年では五島の魅力に引かれて訪れる人も増えて
いる中、その魅力をまだ理解していない自分を、この環境に連れ出してみたいと考え、参加を決意しました。

特に興味深かったのは「森林テーマ」で、五島の森林に入りながら間伐の具体的な課題や離島の木材流通の難しさについて学びながら、”みんなで成長することが社会全体の発展につながる
構造”について考察することができました。また、森林テーマの講師として参加してくださった地元の方は素晴らしく、彼と知り合えたことは非常に嬉しかったです。

さらに、GWC参加者と地元の方々との交流の場である「ポットラックパーティー」は非常に楽しく、東京生まれで育った私にはなかなか感じられない五島らしい生活や価値観についての話を聞くことができ、これをもっと増やしてほしいと感じました。地域や行政だけでなく、他のセクターも巻き込んで成長していく姿勢が五島にはあり、そのカタチを感じる貴重な時間でした。

今回のGWCを通して、仕事だけではなく、プライベートとして地域との結びつきが出来たので、ぜひまた五島を訪れたいと思っています
当サイトでは、利便性の向上と利用状況の解析、広告配信のためにCookieを使用しています。サイトを閲覧いただく際には、Cookieの使用に同意いただく必要があります。詳細はクッキーポリシーをご確認ください。