五島列島・赤島&黄島へ!石積みの風景と歴史ロマンが息づく2島巡り
福江島から船で行く赤島(あかしま)と黄島(おうしま)は、独自の歴史と豊かな自然が残る魅力的な島々です。
自然豊かな赤島では、日常の喧騒を離れてデジタルデトックスできる美しい海岸が出迎えてくれます。一方、全国の釣り人が憧れる黄島では、堂々たる石積みの堤防や石垣の小路、神秘的な伝説が眠る「延命院」が歴史の深さを物語ります。
ノスタルジックな島情緒に深く浸れる、特別な島たびへと出かけてみませんか。
特集INDEX
赤島・黄島の暮らしを支える、頼れる生活航路
赤島、黄島の島民の方が生活航路として利用されている、黄島海運の定期船。福江島への買い物や通院、郵便物の運搬など、島民の方々にとってなくてはならない大切な交通手段です。福江港から赤島港までは約25分、赤島港から黄島港までは約7分で到着します。赤島も黄島も、福江島から見える距離にあるため、それほど長い船旅ではありませんが、船内には横になれるスペースのほか、ソファー席やトイレも完備されています。
【有限会社黄島海運】
住所:長崎県五島市松山町246-2
電話番号:0959-72-8963
ここから始まる島の旅、島の玄関口「赤島港」
福江港から黄島海運の船で約25分で到着する赤島港。赤島港で船を待つ人達が快適に過ごせるよう「赤島渡船待合所」が完備されています。
港の周りは溶岩海岸で、ゴツゴツとした岩肌が広がっています。目の前には福江島を眺めることができ、福江島のシンボルである鬼岳の姿も。普段とは違う角度から見る鬼岳はとても新鮮で、迫力があります。
生活の足として船を利用する島民の方にとって、赤島港はまさに「島の玄関口」です。
赤島集会所で旅の支度を整えのんびり島散策へ
赤島集会所は、集会所としての役割の他に「五島市黄島診療所赤島分院」としての役割も担っています。この診療所がなければ、体調不良の際には福江島へ渡らなければならないため、島民の方々にとっては重要な場所です。
施設内には広い座敷があり、観光で訪れた方の休憩所としても利用できます。また、島内で共同で使えるトイレもこの集会所にしかないので、ここを拠点として島内を散策するのがおすすめです。さらに、この集会所にはポストも設置されています。郵便物は島民の方が黄島海運の船の発着に合わせて船に預けたり、運ばれてきた郵便物を受け取って配達しているそう。
赤島で暮らしている島民の方々にとって、ここは重要な暮らしの拠点となっています。
静寂の杜に抱かれる「赤島神社」
赤島集会所の近くには、木々に囲まれた赤島神社があります。綺麗に整備された参道を導かれるように進むと、小さいながらも迫力のある御社殿が目を引きます。
日常の喧騒から離れた赤島の散策路では、行き交う人もなく、静寂に満ちた不思議な時間を過ごすことができます。人の気配がなく、携帯の電波もほとんど届かない空間に佇む神社はとても神秘的で、まるで異世界に足を踏み入れたかのような非日常感を味わえる場所です。
【赤島神社】
場所:長崎県五島市赤島町448
大自然に身をゆだね原風景の海岸へ
赤島は、島の玄関口である赤島港の近くに、集会所や神社、住宅が集結しています。そこから少し離れると、道はあるものの、森の中をかき分けるようにして歩いて行く必要があります。樹木が茂った道を20分ほど進んでいくと、赤島裏側の海岸に出ます。人工的な雰囲気は一切なく、誰もいない空間が広がり、とても新鮮な感覚を味わうことができます。美しい海岸でただ大自然に身をゆだね、波の音に耳を傾ける。そんな贅沢な時間を過ごすのに最適なスポットです。
赤島漁港に息づく漁の歴史と島の暮らし
黄島海運などの船がつく赤島港の反対側にあるのが赤島漁港です。赤島漁港には、今でも漁船の姿を見ることができます。明治から大正にかけてはカツオ漁の基地として栄えていた赤島。溶岩海岸の岩肌が向きだしの無骨な漁港は、どことなく先人たちの迫力が伝わってくるようで、時代の面影を感じさせてくれます。
また近年は、伊勢海老漁にも力を入れています。赤島では、ほとんど自給自足の暮らしを営んでいる方が多いそうです。一見すると質素なイメージを持たれがちな自給自足の生活ですが、日々新鮮で豊かな幸を味わう、贅沢な暮らしの形なのかもしれません。
島を暖かく見守る海沿いの墓地
赤島港とは反対方向にある赤島漁港の海沿いに、墓地があります。
赤島は明治から大正にかけてカツオ漁の基地として栄えており、1960年(昭和35年)には467人もの人々が赤島で暮らしていたそうです。「先人たちが作り上げてきた赤島の暮らしを絶やしたくない」と、今も大切な故郷を守りながら暮らす人々がいます。
海沿いの墓地を訪れ、海風にさらされながらも力強く佇む墓石の数々をみると、かつての賑わいが目に浮かぶようです。それはどことなく、かつてカツオ漁で栄えた赤島の漁港を、懐かしく見守っているようにも感じられます。
歴史の面影を遺す、黄島の玄関口
黄島の玄関口である黄島港(黄島漁港)は、江戸時代から捕鯨が行われるようになり、明治から昭和初期にかけては捕鯨基地として栄えていました。実際に黄島港(黄島漁港)を訪れると、先人たちが築いた石積みの堤防が今も残されています。かつて捕鯨やカツオ漁などの拠点だった時代を思わせる堂々とした姿は、現代の堤防とは一味違う雰囲気を醸し出しています。
現在も黄島は石鯛などの釣りスポットとして、全国の釣り人に人気のスポットです。黄島港(黄島漁港)のすぐそばには「民宿やました」があるため、じっくりと滞在して釣りをお楽しみいただけます。
海のそばに佇む古社「黄島神社」
黄島港(黄島漁港)から歩いてすぐの場所にある「黄島神社」。迫力のある堂々とした鳥居の傍らには大きな木もあり、入り口から圧倒されます。参道の両側も木々に覆われ、すぐそばに海が広がるその佇まいは、自然と美しく融合し印象的です。
創建されたのは1422年(応永29年)とされており、およそ600年の歴史を誇ります。かつては芝居興行や祇園祭などが催され賑わったそうです。また、その昔に海底から引き上げられた「3つのかめ」を祀っていたところ、馬同士の争いによってかめが壊されてしまい、中から聖観音が現れたという伝説も残されています。
船で黄島に到着する際、すぐ近くに神社の鳥居が見えるので、ぜひ海上からの風景もお楽しみください。
【黄島神社】
場所:長崎県五島市黄島町3
五島八十八ヶ所巡り第15番札所「弁竜山延命院」
黄島漁港から美しい石垣を道なりに進むと、弁竜山延命院にたどり着きます。五島八十八ケ所札所巡り第15番札所とされ、1689年(元禄2年)に創建されました。延命院は黄島で行われる行事の中核を担っており、まさに島民にとっても欠かせない存在であり続けています。
この延命院には、数々の興味深い逸話が残されています。院内に保管されている弁財天(古代インドの美しい川の女神・サラスバディー)は、弘法大師の作と伝えられており、明治時代には高野山金剛峯寺から事実認定証も授かっているそうです。
また、五島列島といえば潜伏キリシタンの歴史で広く知られますが、延命院にもマリア観音像を思わせる仏像が2体安置されています。江戸時代、ここ黄島でも密かに信仰を守り続けた人々がいたのかもしれません。
歴史のロマンあふれる逸話が多数残る延命院。現在は「民宿おうしま」としても運営されています。観光や釣りなどで黄島を訪れる際は、ぜひ一泊して、お寺や島ならではの特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
動画で見る「黄島」
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