単身での移住の魅力とは?メリット・デメリットや移住先の探し方を徹底解説

田舎や離島への移住に憧れるけれど、色々調べていると子育て世帯や若い夫婦の移住などへの歓迎ムードが強いと感じます。

調べれば調べるほど、地方移住での単身者は肩身の狭い想いをするのでは?

一人暮らし向けの物件があまり無いと聞くけど、実際のところどうなの?

もしかして、単身での移住ってマイノリティーなの?など、単身者ならではの移住に関する悩みや不安を感じていませんか?


しかし、昨今はそうした単身での移住を検討する方も増えてきています。

人気の移住先では一人暮らし向けの物件が新築されたり、シェアハウスなどの支援をしていたりと、単身者でも移住しやすい環境が整えられつつある自治体も増加傾向です。


今回は、単身での移住に焦点を当て、そのメリットやデメリット、住居探しの方法などを解説していきます。

単身での移住の魅力とは?メリット・デメリットや移住先の探し方を徹底解説

単身で移住するメリット

まずは単身で移住するメリットについてです。

ここでは以下3点をメリットとして挙げました。


1. 身軽に動ける

単身での地方移住の一番のメリットは、身軽に動ける事です。

家族での移住の場合は奥さんや旦那さんの意向や、子どもの友達の事や転校のタイミングなど、さまざまな要素を鑑みて移住先の決定をしなければなりませんが、単身の場合であれば自身の好みや生活スタイルに合わせて移住先を選ぶことができます。

また、運ぶ荷物が少ないので引っ越し費用が安く済む事や、移住先が合わない場合の再移住のハードルが低いことなど、身軽に動ける要素がたくさんあるのが単身移住のメリットのひとつです。


2. 自分時間をより充実させられる

単身で移住先を選ぶ場合は、自分の趣味や生活スタイルに合った移住先を選ぶことが出来ます。

アウトドアアクティビティが好きな方の場合は休日にキャンプに出掛けたり、マリンスポーツに没頭したりと、都市部に住んでいたら頻繁には出来なかった趣味を存分に満喫する環境を整えることができるでしょう。

また、同じような趣味を持つ仲間にも出会いやすくなるので、より趣味や自分の時間を充実したものにすることがでっきるようになります。


3. 孤独を感じることが少ない

田舎では地域全体の繋がりが密になっているので、単身者でもコミュニティに参加する事を余儀なくされます。

それを億劫と感じる方もいるかもしれませんが、地域内での繋がりが持てる事で、たとえ単身だったとしても孤独を感じる事は少なくなるでしょう。

都会での一人暮らしで漠然とした孤独感や不安感を抱いていた人は、田舎暮らしで近隣住民と交流しながら生活する事で安心できるかもしれません。


単身で移住するデメリット

一方でデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

特によく挙がるのは以下3点です。

事前に把握しておくことで計画段階での対策が可能になるので、こちらもしっかり見ていきましょう。


1.支援制度を活用できない場合がある

地方では、子育てをする若い世代を誘致したいという想いが強い為、国や自治体が設定する支援制度は、子育てをしている世帯や若い新婚夫婦向けのものが多いです。

国が設定する支援制度でも、家族での移住の場合は最大100万円である一方で、単身者の場合は最大60万円となっています。

支援制度を活用したいと考えている人にとっては、単身での移住は不利と感じるかもしれません。

しかし、自治体によっては、就職や就農などを通して世帯構成に関わらず受けられる支援を多く設けている場合もあるので、一概に損な事ばかりではありません。


2.積極的なコミュニケーションが必要になる

子育て世帯であれば、学校の行事や家族向けのイベントなどを通じて地元の方のコミュニティに参加できる機会が多数あるので、地域に馴染むのも比較的早いでしょう。

しかし、単身の場合はそのような機会が少ない為、積極的なコミュニケーションを心がけないと孤立してしまう可能性もあります。

単身移住者や先輩移住者のコミュニティが盛んに活動している自治体を選ぶなどすれば、移住者同士のコミュニティを通して知り合いを増やしていく事が可能です。


3.単身向けのコンパクトな物件は割高になる

田舎ではファミリー向けの物件が大多数を占めるので、郊外になればなるほど単身向けのコンパクトな物件は少なくなります。

東京などの都会と比較すると家賃は割安ですので、同じくらいの家賃でファミリー向けの広いお部屋に住める場合もありますが、家賃を抑えて一人暮らし向けの部屋を探したいと考えている人にとっては、部屋探しが最初のハードルになると言えるでしょう。

一方で、単身で古い空き家を購入して、自分好みのお洒落な内装にリノベーションをして移住生活を楽しんでいる方も多くいらっしゃいます。

移住先で単身向け住居を探す方法と失敗しない為に押さえておきたいポイント

実際に単身での移住を決めた場合、最初のハードルのひとつに「住む家を探す」があります。

実際、自治体によっては単身向けの住居の数が少ないケースがよくあり、自分の予算や希望に合う住居を探すのに苦戦するケースも少なくありません。


ここでは移住先で一人暮らし向けの住居を探す方法と、単身での移住で失敗しないコツをまとめてご紹介します。


心地よく生きられる移住先を見つける

地方に移住して、スローライフを送りたい方は、大前提として「自身が心地よく生きられる移住先」を見つける必要があります。

それが生まれ育った地域でも、縁もゆかりもない場所でも構いませんが、移住先を妥協して選んでしまうと、移住後に居心地の悪さや環境への不満を感じてしまう原因になる可能性もあります。

まずは「ここで暮らしていきたい!」と感じる場所を見つけてください。


単身向けの住居探しはインターネットと地域の不動産屋の両方を活用

単身向けの住居探しは、まずインターネットの不動産ポータルサイトなどを活用するのが一般的です。

そんな中で、なかなか良いお部屋が見つからない場合は、移住したい地域の不動産屋へ直接足を運んでみるのがおすすめです。

地域に根付いた不動産屋は、インターネットに掲載されていない物件を所有しているケースが多くある上に、その地域の事も熟知しています。

物件の紹介だけでなく地域の情報やおすすめのお店なども教えてもらえるため、実際に住み始めてからの事もイメージしやすいです。

移住先の不動産屋を探す場合は、まず自治体の移住相談窓口に問い合わせるのがおすすめです。


周辺に住人の多いエリアを選ぶ

田舎は都市部のように商店や病院などが充実しておらず、一軒一軒の間隔も広いです。

その為、大雨などの災害時には孤立してしまったり、情報が上手く行き届かなかったりというリスクもあります。

慣れない田舎暮らしであれば尚更、そのリスクは地元住人よりも高くなるでしょう。

仮に病気をしてしまった場合でも、近くにドラッグストアや病院が無く、車で数十キロメートル先まで足を運ばなければならない可能性もあります。

そんな時に頼りになるのは、近隣の住人です。

人里離れた一軒家を選ぶのではなく、歩いていける範囲に複数の住人が住んでいるエリアを選ぶことで、生活面での不安は低減されるでしょう。

先輩移住者に人気のエリアを事前に聞いておく

同じ自治体であってもエリアによっては単身者や移住者が地元の人々のコミュニティに参加しづらい雰囲気になっている場合があります。

その点は正直住んでみないとわからないのですが、そこで活用したいのが先輩移住者のコミュニティです。

既にそのエリアに住んでいる人々の生の声を聞き、移住者に人気のエリアを選べば、移住者と地元の人々の交流が盛んなエリアを選ぶことが出来る可能性が高まります。

単身でも過ごしやすい!おすすめの移住先3選

最後に、単身での移住者が多く、環境づくりや支援を積極的におこなっている3つの自治体をご紹介します。



長崎県五島市

長崎県五島市は、五島列島の最も大きな3つの島で構成される自治体です。

県外からの移住先として人気の島で、過去5年間連続して移住者数を更新しています。

そんな五島市の中心部ではここ最近、移住者向けのシェアハウスがオープンしたり、単身でも住みやすいサイズ感のアパートが新たに建設されたりしていて、単身者でも移住しやすい環境が整いつつあります。

美しい海に囲まれた豊かな自然のある離島ですので、移住後はアウトドアの趣味を満喫したいという方にもお勧めできる移住先のひとつです。

五島市では、定期的に移住者向けのイベントやセミナー、相談会などを開催しています。


静岡県伊東市

首都圏や名古屋への通勤も可能という立地から、移住先として人気のある静岡県。

そんな静岡県の中で、単身におすすめなのは県東部に位置する伊東市です。

伊東市は、自治体独自の支援策として、34歳までの若者に向けた起業支援をおこなっています。

34歳までの方が伊東市へ移住した後に起業すれば、起業にかかった費用の半額の補助金がでるのですが、その額が最大200万円となっています。

起業を前提とした移住なら断然おすすめなのですが、首都圏や名古屋へのアクセスも良いので、移住後も月数回は都心部への通勤が見込まれるという方にもおすすめのエリアです。

愛媛県上島町

愛媛県上島町(かみじまちょう)は、瀬戸内海に浮かぶ25の島からなる自治体です。

複数の島からなる自治体なので、移動のほとんどはフェリーになってしまうという不便さはありますが、美しい海と瀬戸内海の豊かな海の幸が魅力。

そんな上島町では、農業・漁業への就職を目的としたワーキングホリデーが実施されています。

移住後に就農を考えている方や、漁業に興味のある方は、この制度を活用して働きながら知識や経験を積むことが出来、一石二鳥の移住先と言えるでしょう。

オンライン移住相談のシステムも充実しています。

まとめ

この記事では単身での移住に焦点を当て、そのメリットやデメリット、住居探しの方法などを解説しました。

多様性の時代で、結婚しない方も増えている昨今では、様々な層の移住者に向けた支援を充実させている自治体が増えつつあります。


単身者であることの最大のメリットは、子育て世帯では難しいフットワークの軽さではないかと思うので、「気になるならばまずはトライ!ダメだったら別の方法を探っていく」というくらいの気持ちで、まずはお試し移住や短期滞在などを通して、移住候補地での自身の暮らしをイメージする事から始めてみてはいかがでしょうか。


備考

更新日:2024年8月20日 


【監修】

五島市UIターン相談窓口スタッフ(長崎県五島市地域振興部地域協働課移住定住促進班スタッフ)

移住者も地元出身者もいる「五島市UIターン相談窓口」スタッフは、以下の4人。

*移住支援員…2018年に東京都からIターン

*移住支援員…2006年に結婚を機に、長崎県長崎市からIターン

*移住支援員…約17年間島を離れ2004年にUターン。福岡、広島在住経験あり

*職員…生まれも育ちも五島列島福江島。6年間だけ島を離れ、2002年にUターン

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